どうも 男性保育士のヤマです。
私は現役保育士として20年子育てに向き合ってきました。
0歳・5歳の2児の父として家での子育て、保育園での保育と365日子どもと関わっています。

よく保護者の方からも
『家では片付けまったくやらないんですよ』
『家では全然寝てくれないんです』
なんて言葉をよく聞きます。
これには実は訳があって、私たち保育士が声掛けをしているから
と、言うわけではないんです。
保育園と家庭とでは環境に大きな違いがあるからなんですよね。
保育園は子どもがスムーズに生活(あそび)ができるように工夫がされているのです。
今回は保育園ではどのような工夫がされているのか
家庭ではどのようにすると子ども自身から率先して行動できるようになるのか
を環境に注目してお伝えしたいと思います。
今回の記事の内容を意識することでお子さんの心や体の成長を後押しするだけでなく、
保護者の方も子育てが楽に、そして楽しくなること間違いなしです!
0歳~5歳を対象に話をさせていただきます。
まず、結論です!!
さっそく結論から述べさせてもらいます!!
- 安全で安心して過ごせる空間をつくる。
- 子どもが自立できる環境をつくる。
- ルーティンをつくる(いつもと同じ)
大きく分けるとこの三つになります。

一つ一つの説明に入る前に保育園と家庭との違いについて話をさせてください。
家庭と保育園の違い
↓下記リンクに詳しい内容が載っていますので、今回は簡単に説明させていただきます。
保育園
保育園では子ども達の年齢に応じて自ら進んで行動(あそび)ができる環境ができています。
トイレや水道・遊びに必要なもの・私物置き場等が各年齢に合った形で設定されているのです。
危険な場所や危ない物がなければ、子ども達も自由に考えて行動(あそび)ができますし、大人の声掛けも少なくて済みます。

家庭
家庭では生活の全てのものがあり、子どもに必要な物だけでなく
家族人数分の物があります。
触れられたくないものや子どもにとっては危険なものも多いのではないでしょうか。

家庭と保育園では環境に大きな差がありますよね?
でも安心してください。
記事を最後まで見たら
おうちでも良い環境は作れます!!
秘訣その1 安全で安心できる空間
なんといってもこれが1番です。
危険がある環境では命を守ることが精いっぱいで成長や安心とは程遠くなってしまいます。
そして、安心とはなにも子どもだけを指しているわけではありません。
子どもが安全な場所で楽しそうに遊んでいたら、親も安心しますよね✨

なので子どもにとっても親にとっても安全って一番なんです。
そして子どもが安全に過ごすために!!
考えていくことがあります。
それは
衛生面での安全
活動面での安全
防災面での安全
です。
衛生面での安全

子どもが触れるもの=口に入れようとするものです。
家にあるものも出来る限り消毒したり、洗濯したりして清潔にしておくとよいですね。
特に0~2歳の乳児は口に触れることで物の硬さや感触を確かめたりするので
命に関わるもの(誤飲の恐れがあるもの)以外はできる限り阻害したくないですよね。
誤飲の恐れがあるもの
- 3歳児では39mm以下の大きさのもの
- 細長いもの(口の中に入り、口腔内を傷つける恐れがあります。)
具体例
コイン、ボタン、指輪、ナッツ、マグネット、キャンディ
鉛筆、ボールペン、ハサミ
ペットボトルキャップ、たばこ、ゴム製品
その他
誤飲の恐れがあるものはこちらのサイトを参考にしてください。
保育園でも実際に活用しています。
『絶対口にしないだろう』『大丈夫だろう』
と過信は禁物です。
小さい物は子どもが届かない場所(最低1メートル上)に置きましょう。
子供の命には代えられないのでこれは守っていただきたいと思います。
活動面での安全
さて、活動面での安全とは何でしょう?
子どもは年齢や特徴によって行動範囲が違います。
その行動範囲に合わせて安全を確保していくということです。
例として、新生児であれば寝ていることが多いですが、
手足の動きが激しくなったり、寝返りをうつようになると
手元においておける玩具を替えたり、寝返りしても落ちない(ぶつからない)工夫が必要です。
具体例
メリー(モビール)→手で触れて遊ぶガラガラや歯固め
※年齢ごとのおすすめ玩具は別の記事でご紹介します。

そこから6ヶ月頃になるとずりばい→ハイハイをするようになります。
そうすると床を清潔にしておいたり、口に入るものを置かないようになると思います。

上記の図のような場所でも安全を確保していきたいですね。
このように年齢や行動範囲に合わせて安全面に配慮していくことを活動面での安全と言います。
子どもも大人も安心して心穏やかに生活しましょうね。
防災面での安全
地震や火事・事故などを予防し身体を守るためのものです。
下の図のように年齢によっておこる事故の種類が違うので参考にしていただけたらと思います。


※東京消防庁「救急搬送データからみる日常生活事故の実態」平成27年(すくすく子育て参照)
こどもの事故防止ハンドブックにも詳しく書いてあるので目を通していただけると幸いです。
家具を固定したり、水場や火の近くに近づかないように柵を付けたりすることが必要です。
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他にも面白いアイディアとしてこんなものもありました。
⇩
ミラーストップ(すくすく子育て参照)
赤ちゃんを危険な場所に行かせないようにするアイデア「ミラーでストップ」

赤ちゃんを危険な場所に行かせないようにするアイデア

方法は鏡を置くだけ。例えばテレビ台の前に置けば、赤ちゃんは鏡に映った自分の姿に興味を持って、その奥にあるコンセントなどの危険な場所に手を伸ばさなくなりますよ。
危険な場所が分かったら、各々のご家庭に合った対応ができると良いですね。
秘訣その2 子どもが自立できる空間を作る
自分で行動できる環境を整えます。
保育園では安全の次にこれを意識して環境を整えています。
0~2歳の乳児には早い!!というかもしれませんが、
環境を整えておくと子どもがやりたいと思ったときに行動できる!!
⇩
自分から行動できる(自発的な行動をする)ことは褒めるチャンス!!
⇩
自発的な行動を褒められると自己肯定感が高まる!!
いい事づくめですね⭐

では具体的にはどのような場面でどのような環境を作るのがをお伝えします
が、その前に
一つ注意することがあるので先にお伝えします。
環境を作る=すべて子ども任せ ではありません!!
自発的に行動しようとする子どもへの手助けや見守りは忘れないでください。
では、これから具体的な例を挙げていきます。
好きなおもちゃで遊ぼうとする
おもちゃを片付けようとする
自分で喉が渇いたときに水を飲もうとする
手洗い・うがいを自分でやろうとする
好きなおもちゃで遊ぼうとする・片付けようとする
自分の好きなことには大人でも目が行きますよね。子ども気になるものがあると周りを見ずに一直線に進みます。
自分の好きなおもちゃが出しやすい所にあるときっと満面の笑みを浮かべてくれると思います。


ボックスごとの写真や文字で戻す場所が書いてあるのも分かりやすくてよいです。
遊び始める時にはきっと自由に出して遊ぶと思います。
問題は片づける時ですよね。
ポイント
- 時間を決める
- 片付けも遊びにかえる
- 親も一緒に片づける(一つでも片づけたら良し!!)
- 少しでもできたら褒める(出来て当たり前と思わない)
特に下の二つは『結局片付けは親か!!』と思うかもしれませんが、
長い目で見るととても効果的です。さらに成長してきたときに片づける時に
親が正しい場所にしまう姿を見せているわけですから視覚的も感覚的も覚えて
いつのまにかスムーズに行えるようになります。
できなくて当たり前と思っていると、ふいに子どもが自ら片づけた時に心から
『片付け上手だね』『片づけてくれてありがとう』
という言葉が出てきて、
子どもの気分も高まります 一度成功しても継続するとは限りませんが(笑)
心に余裕!!が大切です。
自分で水を飲もうとする・手洗い、うがいをしようとする
こちらも体が小さいうちは難しいと思われがちですが、水道に届く踏み台を用意したり、いつでも水分を補給できる水筒を所定も場所に置いておくと自発的に行うようになりなります。

ポイント
- 最初は大人の人と一緒が基本
- 水場に行くときには目を離さない
- 水筒はいつも同じ場所にする(場所がころころ変わると混乱します)
水に触れることを好む子がいる反面、嫌がる子もいるので無理は禁物です。
自分でできることが増えてくると次第に新しい事にも挑戦してみようとする意欲にもつながります。
大人が『ちょっと早いかな』と思うくらいの見通しを持って環境を作っておくとどんどん成長を感じられると思います。
何度も言いますが『できなくて当たり前』の気持ちで余裕を持ってみてくださいね。
秘訣その3 ルーティンをつくる
子どもも大人もお互いに心地よく生活していく上でとても大切です。
保育園でも基本的な生活リズム(登園・活動・給食・午睡・おやつ・降園等)ができているので子ども達自身でなんでもできる(ように見える)のです。

しかも、同年代の友だちであったり、年上のお兄さん、お姉さんであったり、保育者であったり、たくさん見本になる人がいます。何かを身に付ける時には基本的には誰かの真似から入ります。
家庭でも親がもしくは兄弟が見本になれるとぐんぐん成長していきます。
さて、話が逸れましたがルーティンについてです。
ルーティンには、集中力や生産性向上、精神の安定、パフォーマンスの向上など、さまざまな効果が期待できます。
子ども達にとっても顕著で、基本的な生活リズムを送ることで安心し、意欲的な行動(挑戦や興味)に繋がります。
年度替わり等で不安になる子もいますが、場所が変わっても生活のリズムが大きく変わっていなければ、順応もそれだけ早くなります。
ポイント
- 要所で同じ流れをつくる
- 大きな家具の移動は極力控える
- 大人の都合でコロコロ変えない
毎日すべて同じ行動は不可能に近いです。
なので、
家に帰ったら水道へ向かう→うがい・手洗いをする→タオルで拭く
寝る前に トイレにいく→水を飲む→絵本を読む→電気を薄暗くする
このように要所要所でルーティンを作ります。
例としてあげた二つでも環境設定が大切になります。
水道に向かう際に気になる玩具がある→気になって遊びはじめてしまう。 × (気を付けること:動線に不必要なものは置かない)
手を洗ったあとタオルがない→服で拭いてしまう ×
(気を付けること:いつもの場所にタオルを置いておく)
寝る前に絵本がない→遊び始めてしまう ×
(気を付けること好きな絵本、興味をひく本を用意)
このようにルーティンを行うにあたっても環境が不適切だとうまくいかないことがあるので、環境を整えてあげることが成長をグングン伸ばす秘訣です。
まとめ
いかがだったでしょうか?
環境は、子どもの成長にとても大きな影響を与えます。
今回の秘訣を意識して取り入れていくと、大人も子どもも過ごしやすく、そして成長にもつながります。
子どもの未来をしっかり支えていけるよう、できるところから始めてみるのも良いですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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