保育士歴20年 男性保育士のヤマです。
5歳の娘、0歳の息子の父でもあります。
はじめに
春、新しいクラス、新しい子どもたちとの出会い。
期待とともに、少なからず不安も感じる新年度。とくに男性保育士として働く中で、「どう子どもと関係を築くか」「保護者とどう向き合うか」に悩む方も多いのではないでしょうか。
私も、20歳で保育士になったばかりの頃、まさにその壁にぶつかりまくった一人です。
今回は、そんな私の実体験を交えながら、「信頼される保育者」になるために意識してきたポイントを5つご紹介します。
1. 子どもとの関係づくり:最初が肝心
私が初めて担任を持ったのは、短大を卒業してすぐの春。
地元の保育園で、年中(4歳児)27人のクラスを1人で受け持つことになりました。
しかも園では初の男性保育士。まわりも、子どもも、保護者も、みんなが手探りのスタートでした。
それはもう、悲惨な毎日です。
- ピアノが弾けずアカペラで歌う
- 製作の準備が不十分でグダグダ
- 午睡室に子どもを連れて行けず混乱
- バス送迎で遅れを出す
- 泣く子どもを引き離せず、保護者に怒られる
今思い出しても胃が痛くなるような日々でした。
それでも、子どもたちは少しずつ心を開いてくれました。
「ヤマ先生、○○ちゃんがお水こぼした!雑巾持ってきてあげるね」
「次は僕たちのかけっこだよ!」
子ども達と共に生活し、共に楽しむ。
こんな小さな関わりを積み重ねていくことで、自然と距離が縮まり、関係が深まっていきました。
2. 保護者との関わり:第一印象と“安心感”を意識する
初めての男性保育士ということで、保護者の方からは心配の声も多くいただきました。
「えっ?先生が担任ですか?着替えは女性の先生が見てくれるんですよね?」
「先生がしっかりしてくれないと、仕事に行けないよ!」
正直、泣きそうになりながら謝っていたこともありました。
でも、そのとき学んだのは「誠実さ」と「安心感」が何より大事だということ。
きちんと対応し続けることで、少しずつ信頼が生まれていきました。
子どもたちからの伝言で、「サッカーが楽しかったって言ってました」
「ヤマ先生、ピアノ少し弾けるようになったんですね!」という声が増え、3月には
「最初はごめんなさいね。うちの子、保育園が楽しくなったんですよ」
という言葉をもらい、思わず泣いてしまったのは、今でも忘れられません。
3. 職員との信頼関係:報連相+感謝を忘れずに
当時、私は“園で初めての男性保育士”ということもあって、先輩たちにものすごく助けてもらいました。
- 歌の時間に一緒にクラスで歌わせてもらう
- 製作準備を手伝ってもらう
- 午睡の時間に迎えにきてもらう
- 書類の見本を用意してもらう
本当に、「ヤマは何しに保育園に行ってるんだ?」と思うくらい助けられていました(笑)
でも、そんな中でも先輩たちは私の良いところを見つけてくれました。
「ヤマ先生、子どもに怒ったことないよね。伝え方が上手」
「遊びの盛り上げ方がうまい!」
「いつも笑顔だねって保護者が言ってたよ」
だからこそ、今の自分があると思っています。
私も、これからは“支える側”として後輩を育てていきたいと心から思います。
4. ピンチの時こそ信頼が深まるチャンス
保育をしていれば、トラブルやミスはつきものです。
私も、子ども同士のケンカが親同士のトラブルに発展し、両家庭に謝りに行ったこともありました。
でも、そういった「大変なとき」にこそ、冷静な対応や誠実な姿勢が評価されます。
「ヤマ先生が子どもや私たちに真剣に向き合ってくれていることが分かりました。」
「毎日丁寧な対応をありがとう」
と保護者に言われたときの嬉しさは格別でした。
主任・園長からも
「良い対応ができたね。とても良かったよ」
と褒められ嬉しく思いました。
5. 男性保育士としての強みを生かす
当時はとにかく「足りないもの」ばかり見えて、自信も余裕もありませんでした。
でも今思えば、男性保育士だからこその強みもたくさんあります。
- 落ち着いた対応
- ダイナミックな遊び
- 子どもたちにとって“特別感”のある存在
何より、子どもたちや保護者にとって、ひとりの「信頼できる大人」であろうと努力し続けたことが、すべてにつながっていたと思います。
まとめ
20歳で保育士になったヤマも、ついに今年で20年目を迎えます。
正直、あの頃は“保育士として生き残れるかどうか”すら不安でした。
でも、子どもたち、保護者、そして先輩方が助けてくれたおかげで、ここまで続けてこれました。
これからは、私自身が“あの頃の先輩たち”のように、優しく見守り、行動で示せる保育者でありたいと思っています。
新年度、初めて担任を持つ方、男性保育士として不安を抱えている方もいるかもしれません。
でも、大丈夫です。少しずつ信頼を積み重ねていけば、必ず“あなたらしい保育”が見えてきます。
かつての私のように悩む誰かに、この記事が少しでも届けば嬉しいです。
そして、そんなあなたも、きっと素敵な保育者になれます。

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